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TOP > 治療2 放射線療法
治療2 放射線治療
「放射線」というと、原爆の放射能のイメージが浮かんできて、「こわいもの」と思う人もいるかもしれませんが、がんの治療の放射線は、他の治療と比べても、大きくからだを傷つけることなく、機能も損なわれないものです。乳がんは、比較的放射線が効きやすいがんといわれています。乳房温存手術が増加し、放射線治療が併用される機会が急増しました。


放射線治療とは  乳房温存手術後に  放射線治療の流れ  温存手術後の照射について
放射線治療の副作用 

放射線治療とは
局所療法のひとつ

放射線治療は、手術と同じく、がんとその周辺のみを治療する局所治療です。がん細胞に外から高エネルギーのX線をあてて、増殖を抑えたり、死滅させたりします。局所治療なので、全身への影響は少ないのですが、一度照射した部位には再度(一定量以上)照射することはできません。

放射線治療をするのは

乳がんの場合の放射線治療は、がんの種類にもよりますが、効果が現れやすく、治療に痛みを感じず、副作用が少ないので、さまざまな場面で行われます。

●乳房温存手術後の照射
●局所進行乳がんに対する照射(術前照射含む)
●局所再発乳がんに対する照射
●進行乳がんに対する領域リンパ節への予防照射
●遠隔転移巣(骨、脳など)への照射

ただし、以下のような場合、放射線照射はできません。

●すでに一定量の照射をした部位への照射
●妊娠中の人への照射
●膠原病の人への照射
●患者が希望しない場合

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なぜ放射線治療が必要か
乳房温存手術後に

乳房温存手術では、残した乳房の中に目では見えないほどの微小ながん細胞が散在している可能性があります。それを殺傷するために、手術後に放射線治療を行い乳房内再発(局所再発)を予防します。この照射で、乳房内の再発を1/3〜1/10に減少できるというデータがあります。
このように乳房温存手術と放射線治療をセットにしたものが、「乳房温存療法」です。



日本の「乳房温存療法ガイドライン」は、日本乳癌学会から1999年に発表されています。乳房温存手術後の放射線照射を早期に開始することを奨励しています。

参照:日本乳癌学会ホームページ

最近では、非浸潤癌でも、温存療法が行われる場合があり、これに伴い術後の照射が必要になってきました。

乳房切除術後に

乳房の全摘手術でも、リンパ節転移が多い場合には、放射線治療が行われることがあります。胸壁への再発を減らし、領域のリンパ節転移、遠隔転移を抑える目的で、胸壁、鎖骨上窩などに照射されることがあります。

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放射線治療の流れ
治療の開始時期

通常、手術が終わって、2〜3週間後、遅くても6週間以内には治療を開始します。この頃は、手術の傷跡が落ち着いて、手術した側の腕も挙がるようになっています。なお、手術後に化学療法を行う場合、放射線治療は、その後に始めます。

診察

放射線治療は、以下のような流れで行われます。


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治療中の注意
温存乳房全体への照射

乳がん手術後の治療では、手術した乳房全体に、1回2Gy(グレイ=放射線単位)を、土曜、日曜、祝日を除く平日に連続して23回〜25回(1週間に5回・約5週間)照射します。総線量46〜50Gyになります。続けて照射を受けることで、再発予防の効果が高まります。


治療室内では一人になりますが、治療中の様子をテレビモニターで、操作室の技師が観察しています。照射中、痛みなどはありませんので、安心して受けましょう。照射部位にきちんと放射線をあてるために、治療中は動かないようにしましょう。

<毎日続く治療で、気をつけること>
●治療は休まず受ける
●部位につけた印は、薄くなっても自分で書き足さず、申し出る
●十分に睡眠をとり、体調を整えて治療に臨む

参照:放射線治療中の生活や服装などについては、
「治療中の生活工夫」のページをご覧ください。


追加照射(ブースト)

場合によって、追加照射が行われることがあります。乳房全体への照射のスケジュールを完了した後に行われます。最初にできたがんの周囲に局所再発しやすいため、切除断端周辺に、範囲を狭くして照射されます。電子線を使用し、1回2Gy、週5回の総線量10Gyで行われることが多いです。

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追加(ブースト)照射
乳がんの放射線治療では、心配されるような深刻な副作用はほとんどありません。頭に照射しないかぎりは、髪は抜けませんし、吐き気などもありません。少し疲れやすくなったり、白血球が減少したりすることもありますが、心配するほどのことではありません。照射が終って、そのまま仕事に行って、普通に働くこともできます。ただ、皮膚には、影響がでます。


急性反応(皮膚の炎症)

治療中2週間ぐらいすると、日焼けのような状態になってきます。紫外線による日焼けと放射線による皮膚炎は基本的には同じものです。その程度は、個人差がありますが、一般に日焼けに弱い人ほど強く出るようです。放射線科医に軟膏を処方してもらいましょう。



<対策と留意点>
●赤くなり始めたら、放射線科医に軟膏を処方してもらう
●皮膚を清潔にし、感染を起こさないようにする
●色素沈着には、ビタミンCの内服

参照:放射線治療中の生活や服装などについては、
「治療中の生活工夫」のページをご覧ください。



このあと、日焼けと同じように照射部位のところだけくっきりと黒くなります。また、乳房全体の皮膚に厚みが増し固くなります。いずれも、1年もすれば、元の肌の状態に戻ります。

晩期障害

ごくまれに、「晩期障害」といって、治療後数カ月から数年たって、症状が出る人もいます。

・放射線肺炎−咳や熱などの症状が出るのは、100人に1人ぐらい
・上肢の浮腫や乳房の変化−100人に5人ぐらいの頻度で、上肢がむくんだり、縮んだりする

照射部位内の肋骨骨折や放射線心膜炎などが起こるのは、100人に1人いるかいないかといった割合です。まだ、放射線治療での2次発がんの増加はほとんどないと報告されています。

放射線治療で、乳房切除術後の照射や転移した臓器への照射については、個々のケースで担当医にお尋ねください。

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