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治療3 化学療法
化学療法は、血液やリンパ管を通して全身に散らばってしまった可能性のある目に見えないがん細胞を、薬で攻撃する全身治療です。抗がん剤は、がん細胞を殺すと同時に正常な細胞も壊してしまうため、脱毛などの副作用を起こします。もし、あなたの乳がんの治療には抗がん剤による治療が最も適していると示されたときは、治療の効果と副作用などのリスクをよく理解した上で治療に臨みましょう。


抗がん剤とは  化学療法を受ける前に  術前化学療法  術後化学療法
抗がん剤の点滴における留意点  抗がん剤の副作用と対処について 

抗がん剤とは
抗がん剤の作用の仕方

抗がん剤は、がん細胞に直接または間接的に作用して、がん細胞の増殖を抑え、死滅させる薬剤です。
投与方法には、直接血管内に抗がん剤を投与する点滴による静脈注射と錠剤の飲み薬がありますが、どちらの薬品も血液とともに全身の細胞に運ばれ、目に見えない大きさのがん細胞を治療することができます。抗がん剤は、「がん細胞は正常細胞に比較して細胞分裂が早い」という特徴をターゲットにして作用しますので、がん細胞だけでなく、正常細胞のうちでも細胞分裂の早い細胞(血液を作り出す骨髄細胞、毛髪細胞、胃腸の粘膜など)にもその毒性影響を及ぼします。その結果白血球減少、脱毛、吐き気などの副作用を起こします。
副作用はありますが、乳がんは、比較的抗がん剤が効きやすいがんですから、上手に化学療法と付き合いましょう。

基本的な投与の方法

抗がん剤治療は、一部の経口抗がん剤を除いて、「投与と休薬を繰り返す」方法で行います。
投与した直後は、正常細胞とがん細胞の両方が抗がん剤によりダメージを受けますが、正常細胞はがん細胞より抗がん剤に対する耐性が強いため、3週間ほどで回復します。その回復を見計らって、がん細胞が回復する前に次の薬剤を投与します。それを繰り返してがん細胞だけを叩いていくようにします。特に、自分ではわかりにくい白血球減少の副作用は、2〜3週間で回復し始めますので、それが投与間隔の目安とされています。従って、白血球の回復状況が悪い場合や副作用により体調が優れない場合などは、投与間隔を延ばすこともあります。
術前や術後における化学療法では、臨床試験などの結果により、有効性の高い標準的な投与回数が決められており、抗がん剤の種類により多少異なりますが、通常は4から6回程度の投与を繰り返します。




多剤併用療法

乳がんの治療では、一般的に抗がん剤の作用をより強力にするために、がん細胞に対する効き方や性質の異なる何種類かの抗がん剤を組み合わせて投与する「多剤併用療法」が行われます。

<多剤併用を用いる理由>
●効果の異なる複数の薬剤を同時に投与することで各薬剤の持つ異なる治療効果が期待できる
●副作用が分散され、症状を緩和することができる

乳がんに使用される主な抗がん剤

乳がんに使用される主な抗がん剤は、下表の通りです。この他に、現在のところ再発・転移乳がんにのみ保険適用されるカペシタビン(製品名:ゼローダ)や、抗がん剤ではありませんが、乳がん細胞にのみ効力のある分子標的薬のトラスツズマブ(製品名:ハーセプチン)などもあります。トラスツズマブも現状では再発・転移乳がんにのみ保険が適用されます。





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インフォームド・コンセントについて
化学療法が必要とされる乳がん

乳がん治療における化学療法には、以下があります。

乳がんにおける化学療法
● 全身に散らばった可能性のある微少がん細胞を攻撃し、がんを治すための治療
● 進行・転移・再発乳がんに対する延命、症状緩和を目的とする治療


術前および術後の化学療法は、原則として手術と併用します。これらの治療は、他の治療法との比較検討などの臨床試験により、治療の有効性や標準的な治療法(ガイドライン)がほぼ確立されています。



有効性と副作用の関係

毛母細胞抗がん剤には脱毛や吐き気などの副作用があり、その治療にはある程度の苦痛が伴いますが、主治医が化学療法での治療を選択するのは、抗がん剤による治療があなたの乳がんのがん細胞を叩くには、最も効果が見込める治療と判断するからです。
使う抗がん剤の種類、治療の目的と効果、考えられる副作用について、事前に主治医から十分な説明を受けましょう。
どのような治療を受けるかを決めるのは、あなた自身です。治療の効果による恩恵(ベネフィット)と、治療を受けることによって生じる障害(リスク)をてんびんにかけ、自分の置かれた環境(仕事、家族、現在の体調など)や自分の価値観を考慮して、治療の方針を決めましょう。
<化学療法の治療効果による主な恩恵>
・ がんの再発の確率が低くなる
・ 乳房温存手術で乳房を残すことができる
・ 比較的短期間で治療が終了する
<治療を受けることによって起きる主な障害>
・ さまざまな副作用がある
・ 治療期間中の行動制限を伴う場合もある
・ 治療にかかる費用が高くなる

外来治療における留意点

乳がんの化学療法は、原則として通院による外来治療で行われます。ですから、入院治療と異なり、副作用等による体調の変化は、自分で申告しなければ主治医に伝わりません。
安心して治療を続けるために、抗がん剤の副作用が出たら、主治医に詳しく説明し、その対処法を聞きましょう。主治医は必要に応じて薬を処方し、入院を勧めることもあります。また、場合により抗がん剤の投与方法を変更したり中止したりします。
できれば、抗がん剤の投与から次回外来診察までの期間中の、体調の変化や副作用の状況(月日と起きた副作用)をメモにしておくとよいでしょう。



投与スケジュールを上手に利用

抗がん剤投与直後は白血球が減少し、風邪などに感染しやすくなっています。抗がん剤投与より1〜2週間は、さまざまな副作用が起きる時期ですから、人ごみを避けるようにしましょう。
次回投与予定日直前の1週間程度は、副作用も収まり最も活動しやすい時期です。体調にもよりますが、旅行なども可能です。投与スケジュールを上手に利用して、気分転換を図りましょう。

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術前化学療法
術前化学療法の目的

乳がんが発覚し、乳房温存手術を希望しても、しこりが3cm以上の病期II期〜IIIa期の場合は温存手術が適用できません。また、乳がんの進行を示す兆候を持つ局所進行乳がんの場合は、乳房切除手術を行わないこともあります。
術前化学療法は、これらの乳がんに対し、術前に抗がん剤による治療を行い、がん細胞を縮小した後、乳房温存手術や乳房切除手術を実施する治療です。
同時に、全身に散らばっている可能性のある目に見えない微少ながん細胞を攻撃し、死滅させることも目的としています。
術前の化学療法では、しこりの縮小など抗がん剤のがん細胞に対する有効性が目に見えるため、手術後や再発・転移時の化学療法の適用において、より適切な薬剤の選択が可能になる効果もあります。

術前化学療法の目的
(1)全身に散らばっている可能性のある目に見えないがん細胞を攻撃する
(2)術前にがんを小さくし、病期のステージを下げて、手術による切除範囲を小さくする
(3)抗がん剤のがんに対する効果(感受性)を把握する

主な術前化学療法

毛母細胞術前化学療法では、数多い乳がんの抗がん剤の中でも、より強い抗がん作用を有するアンスラサイクリン系薬剤とタキサン系薬剤を投与する治療が効果が大きいと報告され、推奨されています。
これらの薬剤の治療では、腫瘍が完全に消失する割合(pCR)が、20〜30%という臨床試験結果も出ています。

治療効果について

術前化学療法の大きな長所は、しこりの大きさの縮小や消失など、対象とするがん細胞への効果が目に見える形で評価できることです。
治療効果は、がん細胞(しこり)の縮小で判定します。その結果、適用外であった乳房温存手術や乳房切除術が行われます。早い時期に全身への治療を行うため、術後の再発リスクが低くなる効果も期待されています。また、まれに目に見えるがん細胞が完全に消失し、手術が不要となるケースもありますが、この場合は、安全のために放射線治療を行います。また、使用した抗がん剤の有効性が評価できるので、術後にも化学療法を行う場合に、効果のない抗がん剤を使用せずにすみます。
但し、抗がん剤に対するがんの耐性を誘発し、その薬剤が早く効かなくなる可能性もあります。




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術後化学療法
術後化学療法の目的

術後の化学療法は、再発の予防を目的として、手術後1ヶ月〜2ヶ月以内から開始します。
乳がんは、比較的早い時期に周囲のリンパ節や肺、肝臓、骨などに転移しやすいがんです。乳がんが乳房内に留まっているのであれば、手術や放射線治療などの局所療法だけでがんの転移は抑えられますが、目に見えない形で全身に散らばっている小さながん細胞を叩くには、化学療法やホルモン療法の全身療法が必要になります。
術後の化学療法は、ホルモンに依存しない乳がん(ホルモンレセプター陰性)の場合や、病理結果で再発・転移のリスクが高いと判断された場合に行われ、その結果、再発・転移の確率が低くなります。


化学療法が必要となる病理結果

ICの背景手術後の治療で化学療法を行うかどうかは、手術後に明らかにされるがん細胞の病理結果で判断します。再発の危険性を左右する因子としては、腋の下のリンパ節の転移個数、年齢、がんの大きさ、組織学的異型度(がんの悪性度、グレード)があり、その他ホルモンレセプターの状況、閉経の状況により、再発のリスクを判断します。
現在、術後の補助療法の世界標準のガイドラインである「サンクトガレンのガイドライン」で、術後に化学療法を選択するのは、以下のケースです。



但し、サンクトガレンのガイドラインは、日本人の乳がん患者の再発リスクを考慮したものではないという考え方もあり、乳癌学会では、日本人の乳がんを評価した標準治療のガイドラインの作成を進めています。

主な化学療法

ICの背景術後の化学療法の種類は、病理結果から判断される乳がんの再発の危険性の度合いにより選択されます。
また、ホルモンレセプターが陽性の方は、化学療法に加え、ホルモン療法も選択されます。


自分の乳がんの病理結果と再発の危険性を踏まえ、
主治医の推奨する治療についてよく吟味し、
あなた自身で自分の治療を選びましょう。

治療効果について

術後の化学療法は、目に見えないがん細胞が治療のターゲットになりますから、その治療効果は明確には判断できません。原則として、副作用の状況に注意を払いつつ、標準的な回数の投与を行って治療が終了となります。
その後は、定期的な診察と検査を行いましょう。

参照:化学療法後の定期的な診察と検査については、
「術後の診察と検査」のページをご覧ください。

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抗がん剤の点滴における留意点
点滴中の留意点

抗がん剤の点滴では、処方された1〜3種類の抗がん剤のほか、吐き気止めの薬や生理食塩水なども一緒に点滴します。従って、点滴時間は2〜3時間かかることもあります。点滴時間は、本などを読んでリラックスしましょう。点滴中に、トイレに行ったり、水分を取ることもできます。
抗がん剤は、細胞に対し強い毒性がありますので、皮膚についたりするとその部分が黒ずんだり、ひどい場合はただれたり、痛みが残ったりします。もし、抗がん剤が血管の外に漏れた場合は、すぐに看護師を呼んで、適切な処置をしてもらいましょう。
また、治療効果を高めるために、抗がん剤の点滴は一定の速度で静脈に注入する必要があります。点滴の速度が速くなったり、液が落ちてこなくなったりした場合も、できるだけ早く対処してもらうようにしてください。




注射針が刺しにくいときは

毛母細胞化学療法の治療では、点滴に加えて白血球の数や肝臓や腎臓への副作用を血液検査により確認します。
また、リンパ節郭清をした場合は、術側の腕には原則として注射はできないため、健側の腕に何回も注射することになり、治療を続けていると、だんだん血管に注射針が刺さりにくくなります。
注射針が刺さりにくい場合は、点滴を受ける前に、熱い蒸しタオルで点滴をする腕を暖めると、血管が探しやすくなり、注射もスムーズに行えます。蒸しタオルは、看護師さんが準備してくれる場合もあります。

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抗がん剤の副作用と対処について
抗がん剤と副作用

抗がん剤にはさまざまな副作用がありますが、使用する薬剤により副作用の出方もさまざまです。
また、副作用は、吐き気のように抗がん剤投与後すぐに現れるものから、脱毛のように投与後数週間たって現れるものや、皮膚や爪の黒ずみなど投与を続けているうちに現れてくるものがあります。

参照:抗がん剤の副作用の日常におけるケアについては、
「治療中の生活工夫」のページをご覧ください。





吐き気、嘔吐

主な症状など
吐き気は、抗がん剤が血流を通して脳の吐き気の引き金部を刺激し、その信号が脊髄中の嘔吐中枢を刺激しておこります。
食事などの吐き気の生活ケアは、治療中の生活工夫のページをご覧ください。
医学的対処法
抗がん剤点滴の前に制吐剤を点滴します。吐き気の引き金となる特定の受容体をブロックするセロトニン受容体拮抗剤(カイトリル、ゾフラン、ナゼアなど)とステロイド剤(デカドロン)が有効です。
投与後数日間起きる遅発性嘔吐に対しては、デカドロン、ゾフランなどの錠剤を内服します。吐き気がひどく、飲み薬も吐いてしまうようなときは、座薬を処方してもらいましょう。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
・嘔吐を続け、何も食べることができず、食べてもすぐにはいてしまう状態が1日以上続いている

アレルギー反応

主な症状など
アレルギーは、体内に入った薬を、身体が異物として取り除こうとする反応が非常に強く出たときに出る、蕁麻疹などの発疹、息切れ、発熱などの症状です。
医学的対処法
通常、抗ヒスタミン剤(アレルギー剤)が処方されますので、それを服用します。また、かゆみに対して、かゆみ止めのローションやクリームが処方される場合もありますので、それをかゆいところに塗ります。
高熱が出たときは、解熱剤が処方されますので、それを服用して冷たいタオルで少しずつ手足を冷やすと軽減されるときがあります。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
・抗がん剤投与当日や処方された薬を飲んだ直後にかゆみや発疹が出た
・処方された薬を飲んでも症状が軽減されない

発熱

主な症状など
抗がん剤投与による副作用の発熱は、抗がん剤に対する身体の反応です。従って、通常は抗がん剤を投与から数時間後に発熱し、投与期間中継続しますが、時間の経過とともに程度は軽くなります。
医学的対処法
抗がん剤点滴の前に、アセトアミノフェン(ピリナジン)を服用し、予防します。
一般に解熱剤として用いられるアスピリンは、白血球が減少しているときに出血を起こす危険性がありますので、処方されません。
熱が続いている間、アセトアミノフェンを24時間の間4時間おきに服用します。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
・熱が38度以上になり、処方された薬を飲んでも熱が下がらない
・抗がん剤投与や薬を飲んだ直後にかゆみや発疹が出た

食欲不振、倦怠感

主な症状など
化学療法が原因の食欲不振は一時的なものです。通常吐き気などにより投与後数日は食欲が出ませんが、次の投与までには回復します。
投与が続くと、異常に疲れたり、物事に集中できないなど倦怠感が増してくる場合があります。この症状も投与による一時的なものですので、化学療法の治療終了後回復します。
医学的対処法
食欲不振で体重が著しく低下している場合は、食欲を刺激する薬が処方されるときがあります。ビタミン剤が処方されるときもあります。
倦怠感については、貧血症状などがない以外は特に薬は処方されません。活動のペースを落とし、休息を十分にとるようにします。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
・食欲不振により体重が急激に減少している場合

下痢、便秘、腹痛

主な症状など
下痢は、抗がん剤が腸の粘膜を損傷することにより起きます。程度には個人差があり、単に軟便になる人もいれば、水様の状態で脱水症状を起こす人もいます。また、腹痛を伴う場合もあります。
便秘は、腸への排便のための神経伝達が遅れ、便が腸を通過しにくくなるため起きます。制吐剤(カイトリル等)は腸管運動を抑制しますので、便秘がひどくなる場合があります。可能であれば水分を多く摂取して便をやわらかくします。
医学的対処法
下痢には、市販の整腸剤を服用するように勧められることが多いです。
抗がん剤治療中の下剤は、原則として医師が処方します。制吐剤を点滴後および服用している間は、下剤を続けて服用していたほうが症状は緩和されます。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
・錠剤の5-FUを服用していて、1日に2回以上の液状便が出るとき
・1日に5回以上の下痢を繰り返し、市販の薬で症状が治まらないとき
・通常毎日排便のある人が3日間、通常2〜3日に1回の人が5日間排便の無いとき

脱毛

主な症状など
脱毛については、残念ながら現在のところ医学的な処方はありません。かつらやそれ以外のケアについては、治療中の生活工夫のページをご覧ください。

口内炎

主な症状など
抗がん剤により口の中の粘膜が傷つけられて口の中がひりひりしたり炎症を起こしたりします。
白血球が減少している時期と重なりますので、口の中にできた傷から感染症を起こして発熱を起こしたりする場合もありますので、うがいを励行し口の中を清潔に保つようにします。また、一度口内炎を起こすと治るまでに時間がかかりますので、治療前に歯の治療を終えたり、口の中を傷つけないような歯磨きを行うなどの予防も必要です。
医学的対処法
口内炎は、口の粘膜の再生力が回復するのを待つ以外に治療はできず、治るまでに2〜10日間を要します。
口内炎を予防するうがい薬、症状を緩和するうがい薬など、症状に即した薬が処方されます。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
・痛みのある粘膜の赤み、水ぶくれ、ただれがあり、食事ができない
・出血を伴うただれがある

感染症(白血球減少)

主な症状など
抗がん剤により白血球が減少すると、感染症を起こしやすくなります。白血球の減少については、治療期間中の血液検査で把握されていますので、日常生活ができなくなるほどの低下の場合は、医師から入院が必要だと指示されます。入院するほどに白血球が減少していない場合でも、抗がん剤の治療中は、手洗い、うがいを励行しましょう。
医学的対処法
日常生活に支障をきたすほどに白血球が減少した場合は、入院治療になります。急激に低下した白血球を回復させるため、G-CSF製剤(グラン、ノイトロジン)やM-CSF製剤(ロイコプロール)が処方される場合もありますので、原則として医師の判断に従います。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
・発熱、感染症の症状が出たとき  抗がん剤治療中は抵抗力がなくなっているので、上記症状に対する素人判断は禁物です。直ちに医療者に連絡しましょう。

手足のしびれ

主な症状など
神経系が抗がん剤により損傷を受けたときは、手や足の末梢神経が影響を受け、手や足がしびれたり麻痺している感覚があったり、動きがぎごちなくなったりします。
医学的対処法
末梢神経障害による不快感を和らげる薬もありますので、医師に相談して、必要であれば処方してもらいましょう。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
・手や足の感覚がなくなったとき

皮膚や爪の黒ずみ

主な症状など
抗がん剤に含まれる薬品が、皮膚の中で色素を産生するメラニン細胞に作用して、手や爪が黒ずんでくることがあります。手や足が直接日光に当たらないような服装を着用し、日焼けを防ぎましょう。
医学的対処法
ひどい症状のときは、ビタミンCが処方されます。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
特にありませんが、悩みが大きいときは相談しましょう。

貧血

主な症状など
血液中の赤血球が減少して貧血を起こしやすくなります。立ちくらみ、めまいなどが起こります。
医学的対処法
鉄剤が処方されますので、鉄剤の吸収を良くするオレンジジュース等のビタミンC源と一緒に摂取します。
著しい低下の場合は、輸血が必要になります。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
・めまいがひどいとき、顕著な疲れを感じる場合
・横になっても息切れがする場合

排尿障害

主な症状など
抗がん剤が、膀胱への排尿を促す神経に影響を及ぼして、尿意が低下し、尿が膀胱に貯まります。
医学的対処法
利尿剤が処方されますが、効果がない場合は、抗がん剤の投与量を減らします。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
・飲み物を飲んでいるにもかかわらず、10時間以上排尿がない場合

関節痛

主な症状など
抗がん剤により、身体の関節にうずくような痛みを引き起こすことがあります。
医学的対処法
鎮痛剤が処方され、痛みを和らげます。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
・鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらない場合

その他

主な症状など
長期の抗がん剤治療は、腎臓、肝臓、心臓などの臓器に影響を及ぼすことがありますが、これらの他臓器への機能障害を引き起こす可能性のある薬剤には、総投与量を制限したり、1回の投与の「安全な量」が医学的に決められています。抗がん剤の投与はその安全な範囲内で使われますので、重篤な副作用の心配はほとんどありません。
医学的対処法
症状が出た場合は、抗がん剤の投与を中止します。
注意すべき症状
===通院日を待たずに受診しましょう===
・機能障害の兆候が現れたとき

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