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乳がんの症状と検査
検診で乳房に何か異常が見つかったら、自己検診で乳がんかな?と思ったら、自分ひとりで判断しないで、専門医の診察を受けることが大切です。
検診から、一歩進んで、乳がんかどうか見極め(確定診断)をしましょう。

乳房のしくみとがんの発生  乳がんの症状  検診から受診へ  診断がつくまでの検査
確定診断

乳房のしくみとがんの発生
乳房のしくみ

胸には、乳房をはじめ、大胸筋、小胸筋、腋窩動静脈、リンパ、リンパ節などがあります。
乳房には、乳腺と呼ばれる腺組織と脂肪組織から構成されます。乳腺は、乳汁を作る小葉と乳汁が通る乳管からなっており、小葉で作られた乳汁は乳管を通って乳頭へと運ばれます。
乳頭の先には、15〜25の乳口が開いており、授乳期には乳汁が分泌されます。


がんの発生

乳がんのできる部位と発生率人間の細胞は、生活していく中で放射線やウィルスなど様々な影響をうけ、遺伝子が傷つき、がん化の第一歩となる最初の異変を起こします。異変を起こした正常細胞が、エストロゲンなどの作用で、がん化していきます。乳がんは、ほとんどが乳腺をつくっている乳管や小葉の上皮細胞からがん化します。
約90%は乳管の上皮細胞から発生する乳管がん、約5〜10%は小葉がんです。乳がんのできる部位で最も多いのは外側上部、内側上部です。しかし、2つの領域にわたって発生するものや乳房全体に及ぶものもあるので、注意が必要です。


乳がんと女性ホルモンの関係

乳がんの発症や成長促進にはエストロゲンが関係しています。
エストロゲンは女性にとって大切なホルモンですが、約60〜70%の乳がんに対して、がん細胞の成長を助ける働きをします。これをホルモン依存性のがんと言います。
したがって、エストロゲンの刺激にさらされる期間が長いほど乳がんになる可能性が高いとされています。

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乳がんの症状
自分で気づく症状

自分で気づく症状には、しこりや乳頭からの分泌物、また、腋の下の腫れなどがあります。
しこりは、痛みがある場合もまれにありますが、痛みはほとんどありません。乳頭からの分泌物は血液や血液が混じった茶褐色のもの、透き通ったものなどさまざまです。また、分泌物がでてくる乳管口が1つだけでなく、数個のこともあります。

検診で発見される症状

検診で発見される症状は、「手で触れることのできないほど小さいしこり」や「石灰化」が多いようです。


乳がんと似た疾患

乳房のしこりや乳頭からの分泌物が全て乳がんというわけではありません。 乳がんと似た症状を示す疾患には、いくつかあります。

  線維腺腫 乳腺嚢胞 乳腺症 慢性乳腺炎 乳管内乳頭腫 先天性陥没乳頭
しこり  
皮膚の陥没・えくぼ・ひきつれ          
乳頭の陥没・ひきつれ        
乳頭からの分泌物        
乳房の発赤・痛み    
特に間違えやすい疾患

上記の中でも、線維腺腫、乳腺症、乳管内乳頭腫は、乳がんかどうか見極めるのが難しい疾患です。それぞれ次のような特徴があります。

<線維腺腫>
小指の頭から親指の頭くらいの大きさのしこりで触れます。しこりの形は丸く、触ると動きます。30歳以下の若い年齢の女性に多く見られます。

<乳腺症>
乳房のしこりや痛み、乳頭からの分泌物などがあります。乳腺がエストロゲンに過剰に反応するためと考えられています。ですから、女性の月経周期の中で、排卵後から次の月経が始まるまでの時期に、乳房が張ったり、硬いしこりができて痛みを感じたりします。しこりは、乳がんのしこりほど硬くなく、大きさも大小さまざまです。
主に30歳〜50歳の中年女性に多く見られます。乳がん発症の年齢と同じくらいなので、十分な検査が必要です。

<乳管内乳頭腫>
乳管の中に、良性のしこりができます。しこりは小さいので、気がつかないことも多く、ふつう、乳頭からの血が混じった分泌物に気づくことが多いです。
30歳代後半〜40歳代前半の女性に多く見られます。

乳房のしこりや乳頭からの分泌物が、乳がんによるものなのか、その他の疾患によるものかを判断するのは、とても難しいものです。

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検診から受診へ
検診で異常が発見されたら、専門医の診察を受けましょう。自分で何か「おかしいな?」と気づいたら、専門医の診察、検査をうけましょう。

「検診」から「受診」へと一歩進んで、確かめるようにしましょう。




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診断がつくまでの検査
乳がん診断の検査

各々の検査には、何を調べるのか、それぞれ目的があります。
乳がんの診断には、いくつかの検査を組み合わせて総合的に判断します。最終的には細胞を病理で検査してがん細胞の有無を調べ確定します。


しこり・石灰化の有無を確認する

乳がん検診では、視診触診が行われます。
そのあと、マンモグラフィ、あるいは、超音波検査が行われます。

それらの検診の検査結果をもって、受診しますが、マンモグラフィ、超音波検査は、もう一度、行われることもあります。「検診」でのチェックと「受診」での見方が多少、異なるからです。


マンモグラフィ検査と超音波検査は、画像診断といいます。がんの確定診断を目的とする場合は、この2つの画像診断の特性を生かして多角的な判断がなされます。

<マンモグラフィ検査>
マンモグラフィマンモグラフィは、石灰化などの病変を見つけるのにもとても有効な検査です。マンモグラフィの画像は乳房の脂肪組織が黒く写り、しこりや石灰化が白く写し出されます。しかし、年齢が若く乳腺が発達している場合は、画像が全体的に白っぽく写るため診断のための鮮明な画像が撮れないこともあります。
したがって、検診の場合は若い方には超音波が適していると言われています。
検診では、アクリルの圧迫板で、乳房を片方ずつ挟み、できるだけ平らに押しつぶした状態で、縦横の2方向で撮影します。 しかし、受診では、さらに詳しく診るために、乳房を内側から外側へ向かい、かつ腋の下を含むように、撮影台を少し斜めに傾けて撮影したり、しこりが明らかな場合はしこりを中心とするようにして、詳細に撮影することもあります。

エコー<超音波検査>
乳房の上から超音波を当てて検査をしますが、痛みもまったくなく, 放射線の被爆の心配もありません。
超音波に映るしこりが、良性か悪性かを詳しく見ます。しこりの形、しこりの周りの状態(周辺)などが、不規則ではないか、など判断します。 最近は、超音波の機器もいろいろな画像で見ることができるものも出ています。乳がんかどうかの診断に広がっています。

*自分自身でしこりに気づいて、受診する場合は、問診、視診、触診、マンモグラフィ・超音波検査と進みます。


乳管を調べる検査

乳頭から分泌物がでている場合は、分泌物が通ってくる乳管を調べます。乳管内乳頭腫と乳がんとの診断をつけるのに有効です。

<乳管造影検査>
分泌物がでている乳管口に細い管を入れ、造影剤を注入して、マンモグラフィを撮ります。造影剤が注入されているため、乳管をはっきりと写し出すことができます。がんにより、乳管が狭くなっている箇所や小さくなっていたり、圧迫されていたりする箇所がないかが判ります。

<乳管内視鏡検査>
乳頭から分泌物がでている場合、分泌物のある乳口にカメラのついた細い管(ファイバースコープ)を入れ、乳管の内部を直接、観察します。

==留意点==
乳管内造影検査、乳管内視鏡検査ともに、乳頭をささえて細い管を乳頭から入れますので、乳頭が出ていない陥没乳頭の場合は、検査が難しいことがあります。


がん細胞の有無を調べる−細胞診

乳がんであるかどうかを確定するための診断検査で、細胞を顕微鏡で見てがん細胞であるかどうかを判断します。

<穿刺吸引細胞診>
穿刺吸引細胞診手で触れる乳房のしこりに注射器の細い針を刺し、注射器の内筒を1、2回引いて吸引して、細胞を取ります。超音波(エコー)でしこりの位置などを確認しながら行うこともあります。
採取した細胞をガラスの板(スライドガラス)に吹き付け、染色して、がん細胞があるかどうかを顕微鏡で見ます。麻酔の時の注射と同じくらい細い針で行うので、この検査では麻酔はしません。

==留意点==
しこりが触れにくいとき、しこりの大きさが小さいとき、しこりの中に細かくがん細胞が散らばっているときなど、正確に細胞が取れないこともあります。
その場合は、組織診を行うこともあります。

分泌物細胞診<分泌物細胞診>
乳頭からでている分泌物をガラスの板にこすりつけて取り、その中にある細胞の性質を顕微鏡で見ます。

<細胞診の結果>
乳房の細胞や分泌物を取って、顕微鏡で調べた結果を病理結果といいます。
細胞診の病理結果は、いままでは以下の結果の見方−1に示すように<クラス分類>で表されていましたが、2004年6月に発刊された「乳癌取扱い規約」(第15版)より、結果の見方−2のように判定の表現が変わりました。









がん細胞の有無を調べる検査−組織診

組織診細胞診で、「検体不適正」、「鑑別が難しい」、「悪性の疑い」の結果で、乳がんがはっきりしなかった場合、最終的な診断を行うために、太い針やメスを使って、しこりの組織を取り、検査します。
組織診は、細胞のかたまりをとるので、細胞診よりも情報量が多く、診断もより確実です。
取った組織を染色して、がん細胞があるか、がん細胞ならどのようなタイプのがんか、を調べます。用いる機械や方法によっても、取れる組織の量が違います。

<針生検>
超音波でしこりの位置を確認しながら、細胞診より太めの針をしこりの部分に刺し、しこりの一部を、針で取り出します。
針が太いので、局所麻酔をしてから行います。
針生検でも細胞診と同様の判定区分をします。併せて、組織型が推定されて報告されます。

<マンモトーム>
針生検の一つで、針生検よりもさらに太い針を刺して自動的に吸引して組織を取ります。
針を刺して、組織を取るときは、検査の目的によって、マンモグラフィのような装置で画像をみながら行う方法と、超音波装置で画像を見ながら行う方法があります。



マンモトームマンモグラフィで写しながら行う方法では、検査機器の種類によって、椅子に座って行う場合と、丸い穴がある検査台の上に、右図のようにうつぶせになって、行う場合があります。
どちらの機器を使用するとしても、乳房をアクリル板で挟んで固定します。局所麻酔をして、ステレオ撮影をし、画像を見ながら、直径3mm程度の針を刺します。刺している針の方向を変えながら、組織を自動的に吸引してきます。
超音波装置で画像を見ながら行う方法では、診察台にあおむけに横になって行います。

マンモトーム生検中 ==長所==
・手で触れないくらいの乳房の小さなしこりや石灰化を診断できる
・線維腺腫など良性の病変を摘出できる
・1回、針を刺すことで、複数の組織標本をとることができる
・傷跡が小さい

==短所==
・時には出血をすることがある
・針を刺したところが、内出血をすることがある
・検査機器をもっている施設が少ない
検査費用が高い
・がん細胞を、周りに散らす可能性がある

<外科的生検>
局所麻酔を行い、メスでしこりの一部、または全部を取って、顕微鏡で組織を調べます。場合によっては入院して行われることもあります。

==留意点==
しこりが悪性の場合、がん細胞を、周囲に散らす可能性があるのではないかといわれていますが、はっきりと結論は出ていません。医師とよく相談し、納得して検査を受けることが大切です。

<組織診の結果>
・細胞診で、確定できなかった「悪性か悪性でないか」がわかります。
・細胞のかたまり(集落)でわかるので、がんの組織型が推定されます。
・非浸潤がんか、浸潤がんかがわかります。

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確定診断
確定診断となるもの

毛母細胞画像検査(マンモグラフィ、超音波)と細胞診検査の結果が一致して、乳がんと確定されます。

その後、治療方針が立てられ、治療(手術など)が開始となります。


乳がん確定診断後の検査

乳がんと診断されたあとの検査では以下のようなものがあります。これらの検査は、施設によってあるいは確定診断時の状況により、検査の種類や時期が異なることもあります。ここではごく一般的な検査について記載しています。

<MRI(磁器共鳴検査)>
しこりなどの病変部を、二次元的にスライスした画像や三次元的に構成した画像でみることができます。MRI検査は、強い磁石と電磁波を使った検査です。 うつぶせになってトンネルのようなドーム型の機器に入って撮影をしますが、検査中は工事現場のような騒音があります。また、閉塞感を感じる方もいます。
乳房内へのがんの広がりの程度、腋の下、リンパ節への転移の有無、全身(乳房以外の部位−肝臓や肺など)への広がりの有無と程度がわかります。

==留意点==
・この検査は、放射線を使わないので被爆の心配はない
・検査費用が高い、検査時間が長い
・脂肪組織など、病変以外も広く映してしまうこともある

<CT(コンピューター断層撮影)>
X線を使った画像診断です。
乳房内へのがんの広がりの程度、リンパ節への転移の有無、全身(乳房以外の部位−肝臓や肺など)への広がりの有無と程度を調べます。 検査には造影剤を使う場合もあります。

==留意点==
被爆量がやや多い。

<骨(こつ)シンチグラフィ(RI)>
身体の生理機能を利用して通常のX線検査より詳細な骨の様子を撮影します。骨への転移の有無、程度を調べます。 検査の2〜3時間前に、骨だけに集まる特殊な放射性医薬品を注射します。
撮影は横になって行います。座布団ほどの大きさのカメラを身体ぎりぎりに接近させて全身の骨を撮影します。撮影時間はおよそ20分ほどです。注射した放射性医薬品はやがて尿とともに排泄されます。


治療方法の決定

以上のようなさまざまな検査を行い、乳がんの広がりや遠隔転移の有無などを調べ治療法を決定します。
この時点でおおよその病期がわかりますが、手術前の病期分類は術後の病理検査で変わることがあります。手術後の病理結果が最終的な病期分類です。

治療法は、乳がんの進行度(程度)や個々の乳がんのもつ性質、ご自身の年齢、考え、価値観、QOLなど総合して、ドクターと相談して決めることが大切です。

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