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TOP治療1 手術 > Q&A
治療1 手術
Q1「乳房温存手術」では、乳房の形は崩れないでしょうか?
Q2手術の時間はどのくらいかかりますか?
Q3リンパ節の郭清をしました。リンパ浮腫を防ぐために、ケガには気をつけてと言われましたが、なぜですか?他にも気をつける点はありますか?
Q4リンパを取ると、腕がむくみやすくなりますか?
Q5リンパをできるだけ取りたくないのですが、何か方法はありますか?
Q6センチネルリンパ節生検を受けたいのですが、センチネルリンパ節生検ができる設備が整っていないとダメと言われました。どういう設備が必要なのですか?
Q7手術のときに生理と重なりますが、どうしたらいいでしょうか?
Q8乳がんの手術には全身麻酔をするということですが、全身麻酔は安全でしょうか?
Q9手術のあいだ、家族はどうしていればいいですか?
Q10手術の傷はできるだけきれいにしたいのですが、方法はありますか?
Q11手術のあとは痛いですか?どのくらいの期間痛むものでしょうか?
Q12手術のきずあとはどのようになりますか?
Q13手術および入院の費用はどのくらいかかりますか?
Q14リハビリをしないといけませんか?
Q15退院後、スポーツをしてもいいですか?

Q「乳房温存手術」では、乳房の形は崩れないでしょうか?

A手術で摘出するしこりの大きさや部位によって、異なります。また、どの程度切除するかではなく、元々の乳房に対して、何割(何%)くらい切除するかによって、形は変わってきます。
どの程度の切除になるのか、乳房の変形はどの程度になるのか、主治医の先生によく聞いてみましょう。どうしても乳房の形が変わるのがいやであれば、全切除をして再建するという同時再建の方法もあります。


Q手術の時間はどのくらいかかりますか?

A手術の内容にも関係しますが、一般的に乳房部分切除、あるいは全切除の場合、2時間前後です。これに麻酔の時間(麻酔をかけるまで、麻酔が覚めるまでの時間)が約1〜1.5時間ほどかかります。施設によっても違ってきますので、手術の説明の時に、十分に確認しておきましょう。


Qリンパ節の郭清をしました。リンパ浮腫を防ぐために、ケガには気をつけてと言われましたが、なぜですか?他にも気をつける点はありますか?

Aリンパは、体の中の老廃物を排出する働きを持っています。リンパ節を郭清するということは、リンパの合流点を取ってしまうということであり、リンパの流れが低下します。ケガをすると、不要物の排出のためにリンパの働きが必要になり、結果として、リンパ液がとどこおりむくみやすくなってしまいます。
また、リンパ節は、身体に侵入するウイルスや細菌などを防ぐ白血球(リンパ球)を作る場所です。その部分を切除しているので、虫さされやケガ、火傷などで傷をつくって、細菌が入ってしまうと、皮膚の下に広く細菌が広がり、赤く腫れて高熱や痛みを伴った浮腫が生じることがあります。この場合は、細菌による感染なので、抗生物質を投与し、腕を冷やして安静を保ち、腫れや痛み、熱が引くのをじっと待たなくてはなりません。術後、採血や点滴を健側の腕で行うのは、万が一黴菌などが入ってむくんでしまわないように、との配慮があるからです。
ケガだけでなく、深爪、虫さされや日焼け、やけどにも注意をしましょう。庭仕事や成分の強い洗剤をあつかう時は、必ず手袋をしましょう。もしも傷をつくってしまったときは、徹底的に消毒し清潔を保つことが必要です。


Qリンパを取ると、腕がむくみやすくなりますか?

A腋窩リンパ節を取ると、合併症としては、リンパ浮腫、肩関節の運動障害、上肢の感覚障害などがありますが、その発生頻度は郭清の程度によって異なることが知られています。一般に、レベルIよりも、レベルIIIまで取った場合のほうがむくみやすいといわれています。
しかし、リンパを取ったから、かならず腕がむくむ、とは限りません。ただ、リンパ節を取っているので、リンパ液の循環が悪くなり、取っていない人と比べるとむくむリスクはあります。
予防として、リハビリやマッサージがあります。リハビリを行うことによって、肩や前胸部、背中などの方向へ、新しいリンパ液の帰り道(バイパス)ができるのです。しっかりとリハビリやマッサージを行うといいでしょう。


Qリンパをできるだけ取りたくないのですが、何か方法はありますか?

Aリンパ節郭清による障害を少なくするために、リンパ節郭清を最小にする試みが始まっています。センチネルリンパ節(乳がんの細胞が最初に届くリンパ節)だけを摘出して、転移の有無を調べ、転移がなければ、リンパ節郭清を省略する方法です。
センチネルリンパ節生検は、まだ日本では乳がん治療の標準治療ではありません。そのため、実施している施設も違います。ドクターに確認しましょう。


Qセンチネルリンパ節生検を受けたいのですが、センチネルリンパ節生検ができる設備が整っていないとダメと言われました。どういう設備が必要なのですか?

Aセンチネルリンパ節生検は、放射性同位元素を体内に注入し、それにより乳がん細胞が最初に行き着くリンパ節を同定してそれを切除し、術中に病理検査をして判断する、という手順でおこないます。そのため、外科・放射線科・臨床検査部・病理部・手術部のチームがそろわないと成り立ちません。また、現在のところ健康保険が適用される診療ではなく、大学病院や研究機関を持つ施設などに限られているのが現状です。


Q手術のときに生理と重なりますが、どうしたらいいでしょうか?

A乳がんの手術そのものには、影響はありません。手術室の看護師に、事前に話しておくと、適切にナプキンを用意したり、対処してくれます。


Q乳がんの手術には全身麻酔をするということですが、全身麻酔は安全でしょうか?

A全身麻酔というのは、痛みを抑える薬(鎮痛薬)や意識を抑えるお薬(鎮静薬)を点滴・吸入・内服などにより「全身的」に投与して行う「麻酔」です。
麻酔科医は、2年間麻酔科の専門の勉強をするか、それと同等の技術を持つ者が厚生労働省に「麻酔標榜医」と認められた医師です。麻酔科医は、手術中の患者の血圧・脈拍・体温・筋弛緩などを監視し、必要な麻酔深度を維持するとともに、人工呼吸の管理、輸液や輸血量の調節、体温の維持、必要な薬剤の投与を行っています。
麻酔の最中に目が覚めてしまうことは、きわめて少ないとされていますが、麻酔にかかりにくかったり、近親者で全身麻酔による高熱が出た方がいた場合は、手術前の麻酔医のオリエンテーションの時に相談して下さい。


Q手術のあいだ、家族はどうしていればいいですか?

A病院によって家族への指示は異なりますが、おおむね、手術の終わる頃に手術室前で待ち、手術後、切除した組織の確認を行い、説明を受けます。


Q手術の傷はできるだけきれいにしたいのですが、方法はありますか?

A手術のあとにケロイドになる、ならないかは、手術時の縫い方、傷の緊張の程度、傷の場所、術後のケア、皮膚の体質などが影響します。
手術時の縫い方は、現在、どこの施設のドクターでもできるだけ傷跡が目立たないよう、工夫されていると思います。手術前の説明の時に、どこにどのような傷跡が残るのか、聞いておきましょう。
一般的には皮膚の表面は外科用のテープで止めたり、ボンドを使用したりしています。退院してからも傷に直角にテープ(サージカルテープ)を2〜3ヶ月間、貼っておくと、傷が伸びたりしないで、効果的です。ただし、温存手術後、放射線治療をする方は、テープの必要はありません。放射線照射そのものにケロイドを予防する効果があります。
放射線治療後は、皮膚への障害もありますが、治療後は、皮膚、傷跡はきれいになります。

参照:放射線治療の皮膚への障害については、
「治療2 放射線療法」の「放射線治療の副作用」をご覧ください。



Q手術のあとは痛いですか?どのくらいの期間痛むものでしょう。?

A麻酔が醒めたあとは2〜3日ほど痛みます。あまり痛みがひどいようなら、痛み止めを処方してもらいましょう。術後は、手術の種類や程度にもよりますが、やはりしばらくは痛みが続きます。とくにリンパ節郭清をすると、胸から脇にかけてのしびれが1年くらいは残ります。しかし、手術後半年くらいで、普通のブラジャーがつけられる程度には緩和します。


Q手術のきずあとはどのようになりますか?

A全摘か温存か、同時再建をしたかどうかによっても違いますが、切除あとのきずは、術後1年くらいであまり目立たないようになります。ただしこれは個人差があり、お酒を飲むと赤くなるという方もいますし、ケロイド体質の方はきずあとが盛り上がってしまうことがあるようです。


Q手術および入院の費用はどのくらいかかりますか?

A乳がん切除のための手術には、健康保険が適用されます。
一般に、手術前日に入院、手術後8日目で退院(10日間入院、差額ベッド代なし)の場合、入院料、管理料、手術、麻酔料、処置料、投薬料などで、約18万円(自己負担3割)かかります。これに、食事代(約800円/日)と個室などの場合は差額ベッド代が追加になります。参考にしてください。


Qリハビリをしないといけませんか?

A日常生活を普通にするだけで、特にリハビリはしなくてもよい、という方針の病院もあります。しかし、手術をし、一部分とはいえ体の組織を切除したのですから、痛みや、体を動かすことに対する不都合は必ずあるものです。「痛い」「怖い」と動かさずにいると、筋力は低下しますし、痛みも長引きます。できるだけ積極的に運動をしたほうが回復は早いですし、必要な筋力もついてきて痛みも徐々に緩和していきます。
また、リンパ郭清をした方は、リハビリをすることで新しいリンパの通り道ができます。怖がらずにリハビリをしましょう。


Q退院後、スポーツをしてもいいですか?

A術側の腕を酷使しないスポーツであればかまわないでしょう。運動の前にはしっかりとストレッチを行い、準備運動をして腕や肩をあたためておきましょう。放射線治療をおこなう方は、屋外での日焼けはかならず避けてください。リンパ節を郭清した方は、ケガや虫さされに注意が必要です。

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