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内容の説明Q&A

治療4 ホルモン療法(Q&A)
Q1どうして、ホルモン療法の薬は、閉経前と後で、違うのですか?
Q2タモキシフェンを5年間飲むように、言われましたが、どうして、5年間も必要なのでしょうか?
Q3タモキシフェンを飲んでいると、子宮がんになりやすいって、ほんとですか?
Q4ゾラデックスとリュ―プリンは、同じ薬ですか?
Q5この頃、気分がふさぎ込んだり、忘れ事が多かったり、イライラしたり・・・・ホルモン療法のせいですか?
Q6ホルモン治療が終わってから、妊娠・出産は、可能でしょうか?
Q7ホルモン療法は、髪が抜けたり、吐き気があったり、しないのでしょうか?

Qどうして、ホルモン療法の薬は、閉経前と後で、違うのですか?

A乳がんには、女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けて、増殖するタイプのものがあります。これに対し、エストロゲンを抑える治療が、抗ホルモン剤治療です。
エストロゲンは、閉経前と閉経後では、その、でき方(産生経路)が違います。

閉経前−エストロゲンは、主に卵巣から作られます。
閉経後−卵巣の機能が低下し、卵巣からエストロゲンが作られることはほとんどありません。そのかわり、脂肪組織から作られるエストロゲンが増えます。

その為、エストロゲンを抑える薬も閉経前と後で違ってきます。

閉経前は、卵巣の働きを抑える為に、「卵胞刺激ホルモン」を少なくする必要があります。「卵胞刺激ホルモン」は、脳下垂体からでているため、ここに作用する「LH−RHアゴニスト」商品名ゾラデックス、リュープリンを使用します。
この、注射によって、卵巣摘出と同じような状態にし、エストロゲンの産生を抑制します。
また、エストロゲンが、乳がん細胞に働きかけるのを妨げる、「抗エストロゲン剤」一般名タモキシフェンをあわせて、使用することもあります。

閉経後は、脂肪組織にあるアロマターゼとアンドロゲン(副腎からでる、男性ホルモン)が結びついて、エストロゲンが作り出されます。脂肪組織とアンドロゲンを結び付けないようにする、「アロマターゼ阻害剤」薬品名アロマシン・アリミデックスを使用します。
これによって、閉経後のエストロゲンの産生を抑えることが、できます。



参照:詳しくは、
「内容の説明」をご覧ください。



Qタモキシフェンを5年間飲むように、言われましたが、どうして、5年間も必要なのでしょうか?

A1998年に発表された、タモキシフェンについての、大規模臨床試験で、2年間より5年間服用したほうが、再発リスク・死亡リスクを低く抑えるという、結果がでています。また、5年と10年の比較試験では、10年服用に優位性がなく、副作用が強くなることがわかっているので、現在は、5年間服用が標準治療とされています。
また、最近、閉経後の場合は、タモキシフェン2〜3年の後、アロマシン2〜3年に切り替えたほうが、タモキシフェン5年より再発抑制効果が高いという大規模臨床試験の報告が出ています。


Qタモキシフェンを飲んでいると、子宮がんになりやすいって、ほんとですか?

Aタモキシフェンを長期間飲み続けると、子宮筋腫や子宮内膜がんのリスクが高まると言われ、必要以上に不安に思う方がいるようです。
 実際には、下表のように、子宮内膜がんの発生より、乳がんの再発を抑える効果の方がより大きいという、結果が出ています。不安のある方は、一年に一度程度、婦人科健診を受けると安心ですね。又、不正出血などがある場合は、すぐに主治医に相談しましょう。





Qゾラデックスとリュ―プリンは、同じ薬ですか?

A薬の作用としては、どちらも「LH−RHアゴニスト剤」で同じものですが、ゾラデックスは固形・リュープリンは液体という違いがあります。そのため、注射針の太さが違い、ゾラデックスの方が痛みが強いです。同じ効き目なら、痛みの無いほうが良いのですが、現在は基本的には、リュープリンは、再発乳がんの治療薬として保険適応されています。

商品名 投与法 特徴
ゾラデックス 4週間に1度、2年間
お腹に太目の針で皮下注射
固形の徐放性の薬:薬の塊をお腹に埋め込み、徐々に薬効成分を放出させてゆく。
太い注射の痛みを軽減するために、痛み止めの注射をうったり、ペインレスシールを貼ったりする場合もあります。
リュープリン 4週間に1度、2年間
お腹や腕に皮下注射
針の太さは、普通の注射と同じ
液体で徐放性の薬:液体でも、徐々に薬効成分が浸透してゆくので、注射跡をもんだりしない。
基本的には、再発乳がんの治療薬として、保険適応されている。


Qこの頃、気分がふさぎ込んだり、忘れ事が多かったり、イライラしたり・・・・ホルモン療法のせいですか?

A乳がんを増殖させてしまう、女性ホルモン(エストロゲン)ですが、本来は、女性の体にとっては、とても大切な役割を果たしています。
ですから、エストロゲンを抑えている、抗ホルモン剤治療中は、様々な副作用が起こることがあります。ただ、年令差や個人差が大きいので、すべてが、治療の副作用とも言い切れないところがあるのではないでしょうか。





Qホルモン治療が終わってから、妊娠・出産は、可能でしょうか?

A妊娠・出産は可能です。LH-RHアゴニスト製剤が、最も特徴的に優れている点は、治療が終了し、薬を止めると、ほとんどの患者さんで月経サイクルが正常に戻ることです。治療を終えると卵巣機能は回復し、妊娠が可能な体に戻ります。
月経がもどる時期については、個人差があります。3ヶ月から半年くらいとさまざまです。しかし、薬をやめて最初の月経は、周期が不定期だったり、無排卵だったりするので、通常の月経周期にもどるまで、妊娠は待ったほうがいいでしょう。また、自分の健康管理を行うためにも、「基礎体温」を測ってみて、月経状態をみていくといいと思います。
実際、抗ホルモン剤治療終了後、妊娠・出産している体験者が、たくさんいらっしゃいます。


Qホルモン療法は、髪が抜けたり、吐き気があったり、しないのでしょうか?

A女性ホルモンの、分泌が抑えられることによって起こる副作用は、様々ですが、化学療法のように、かつらが必要なほどの脱毛や、強い吐き気を起こす人は、いないようです。この為、医療関係者の中には、抗ホルモン剤治療は、副作用が軽いと考えている方もいるようです。

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